過酷で楽しく面白い介護現場

母の看病に備えて取ったヘルパーの資格勉強で気付いた接客業のプロ意識

ヘルパーとしてプロの接客業の意識を持つことが大事。

同居していた母が高齢になり、病気も抱えていたので、いずれは介護が必要になると思いました。そこで考えたのは、「介護のコツみたいなものを学べないかな?」ということでした。

調べてみると、「ホームヘルパー2級」という資格があって(現在では初任者研修となっています)、2週間ほどで取得できるとのこと。さらに、費用もあまり高くはなかったので、「介護が学べて、自分も資格持ちになれるなら」と受講を決めました。

そのとき、私は50歳。何十年ぶりかの「勉強」です。そして、考えてみたら、運転免許さえ持ってない、無資格人間だったんです。

最初の日は、緊張したし、浮き浮きもしていました。でも、その日の内容は、「介護とは何か」みたいな、頭の痛くなるお勉強でした。QOLがどうとか、オバサンには難しいです…。

でも、日が経つうちに実践的なお勉強が増えて、面白くなってきました。特に驚かされたのは、技術的なことではなくて、マナーに関することでした。

私は心のどこかで、「介護を受ける方が、下」と思っていたのかもしれません。人の世話にならないといけない、可哀そうな人たちだ、と。だから、感謝されてあたりまえ。少しくらいのことは、お世話してやってるんだから大目に見てよ。そんな、傲慢な考えもあったようです。

でも、違いました。介護は接客業です。「患者」と言わずに「利用者様」というところに、そのポリシーが表れています。

まず、利用者様の家を訪問するときの注意点。

「お茶やお菓子を出されても、いっさい頂いてはいけない」

これには、びっくりしました。そして、疑問を持ちました。

だって、高齢の方がお茶を出してくれたら、飲まない方が気を悪くさせるんじゃないでしょうか。

それから、

「利用者様が『いいよ』と言われても、原則を崩さない」

これも、サービス業としてはどうなんだろう、と思いました。

でも、実際にあったトラブルを読んで、納得です。

「訪問先で、茶碗を割ってしまった。会社に報告しようとしたら、利用者様が『気にしなくていい』と言われたので、片付けて帰った。しかし、認知症の利用者様は、自分が許したことを忘れ、後からクレームが来た」

怖いなーと思いました。そして、気がつきました。こういう杓子定規なルールは、じつはヘルパーを、トラブルから守るものだったんですね。

やがて実技になると、ますます楽しかったです。受講生同士で介護を練習したりして、若い仲間が多かったので、自分も若返ったような気がしました。

そして最終日。資格証は後で郵送するとのことでしたが、研修を請け負っていた介護会社のパンフをいただきました。「うちを利用してほしい」からでなく、「うちに就職してほしい」という…。

受講料が安いのは、育てたヘルパーを自社で使いたい、という意図もあったみたい。介護業界って、ほんとに人手不足なんですね。

さて、こうして得たヘルパーの資格ですが、もともと母を看取るためだったので、私がヘルパーとして働くことはありませんでした。そして母は…寝たきりになることなく、最後まで自立していました。たった1日の入院で、亡くなったのです。

「ベッドに寝かせたままで髪を洗ってあげられる」という、せっかくの技術の使いどころがなかったのが残念ですが、母のためには幸いだったのかもしれないと思います。

ヘルパーとは違いますが、一緒に働く事の多い看護師さん。一見楽に見えますが仕事は大変です。こちらを見ると看護師さんは、看護師さんなりに仕事を辞めたいとか、苦労されている事が分かります。介護と看護との関係を考える上でも参考になりますね。
ナースレシピ|看護師辞めたい時のやさしい処方箋

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